リビルト品とは
リビルト品とは、使用済みの自動車から取り外した部品(コア)又は修理時に自動車から取り外した部品(リターンコア)を材料として、分解ができる構成部品にまで確実に分解し、洗浄したうえで検査し、摩耗・劣化があるものは修理するなどして検査に合格した構成部品、及び未使用の構成部品と交換したうえで、再度組み立て、性能を検査したうえで、完成品として一定の品質保証を付して再び世の中に送り出される自動車部品の事です。
リビルト品への交換フロー
実際のビジネスフローでは、全国のディーラー及び整備工場に持ち込まれた車両の故障したオルタネーター等一定のアッセンブリー化された部品は、既にリビルト済みの製品と即座に取り換えられることになるため、アッセンブリーを分解する時間をかけることはなく、車両ユーザーに追加的な待ち時間を要請することはありません。
リビルト品の材料源“コア”
リビルト部品の材料源は“コア”と呼ばれるが、リビルト新品と交換されたコアの構成部品がもつ残存価値を最大限に引き出すことがリビルト事業者の役割となります。
アーネストでは不要になったコアの買い取りも行っております。
リビルト品の強みと特徴
リビルト品は一般に、最初から全てを作る新品部品に比べて性能は引けをとらず、かつ低価格です。
更に製品強度を構成するハウジング部など主要構成部品を再利用するため、生産に伴って発生する二酸化炭素(CO2)の排出量が格段に少なくなるのが特徴です。
リビルト品が環境対応型製品と言われる所以です。
リビルト品のメリット
- 新品と比較して
低価格 - 新品に引けを取らない
高品質 - 安心の
製品保証 - 資源を有効活用し
環境に優しい
更なる理解のために
自動車部品が故障し、修理交換する場合の部品の選択肢は分かりやすく分類すると、松竹梅+1の4種類になります。
分類 | 説明 | 品質 | 価格 | 環境 | |
---|---|---|---|---|---|
松 | 純正品 | 新車メーカーが指定する部品で基本的には新車に取り付けられてる部品と同じもののこと。性能品質共に最高レベルだが、価格も最高レベル。消費者は、一般的に自動車の使用頻度、車検等乗り換えまでの期間等を勘案して選択すると言われている。 | ◎ | △ | - |
竹 (その1) |
優良品 | 純正品とは別ブランドによる新品のこと。知名度はなくても一定の性能・品質を誇る国内外のメーカーが製造した製品を、日本のメーカーが検査し、品質保証を付与して販売しているケースが多い。アーネストでは、NAPブランドで優良品を取り扱っている。 価格は、純正品の40~80%程度となっていることが多い。 NAPブランド |
○ | ○ | - |
竹 (その2) |
リビルト品 | コアを所定のプロセスを経て再生し、新品同等の荷姿で販売される。捨て去られる運命にあったコアを再利用するため、環境対応型リサイクル製品と言われる。アーネストではRAPブランドとして展開。 価格は、純正品の40~60%程度となっていることが多い。 RAPブランド |
○ | ○ | ◎ |
梅 | 中古品 | 事故車等解体車両から取り出された部品で、まだ使えそうに見えるもの。中古品も環境対応型リサイクル品となる。価格は純正品の20~50%と極めて安価になるが、十分な性能検査や品質保証がなされていないケースが散見されるのが現実であり、消費者はそういった事情を承知の上で選択することが求められる。 | △ | ◎ | ◎ |
誠実で腕の良い整備士さんほど、自動車整備の際に複数の選択肢を消費者に分かりやすく提示し丁寧な説明をしてくれるものです。
良きカーライフを送るためには、修理部品の選択もさることながら、誠実で腕の良い整備士さん選びも重要となりますね!
ミニコラム:良い選択とは?
幼少のころお祭りに出かけ出店のウナギ釣りに挑戦したことがあります。
一番太い糸が一回500円、真ん中の太さの糸が1回300円、最も細い糸が1回200円。私は、200円で3回トライしていずれも釣り上げられず、泣きそうになっていたところを、通りかかった両親に500円で最後のトライをするよう勧められ、やっと1匹のウナギを釣り上げることが出来ました。ホッとした反面複雑な面持ちでいると、出店のおじさんがそっと声をかけてくれました。
「種明かしをすると、実は、200円の糸は誰が何度やってもほぼ釣れない設定、500円の糸は誰でもほぼ一発で釣れる設定、300円の糸が、50~70%の確率で釣れる設定になっている。最初から300円の糸でトライするのが正解なんだよ」と教えてくれました。
ただ一番高いものを買うのも芸がなく、一番安いものを買うのも、「安物買いの銭失い」になりかねない。良い選択とは何か、子供心に考えさせられ、今となっては貴重な思い出となっています。
アーネストのリビルトプロセス
- コア管理及び準備
- コアの分類、識別、保管及び準備
- 分解
- コアを構成部品にまで分解
- 洗浄
- 分解した全ての構成部品の洗浄(必要に応じてブラスト処理及びバフを適用)など
- 選別
- 構成部品を使用可、使用不可、修理・手直し後に使用可などに選別
- 補修
- 機械加工、研磨、溶接、溶射などの補修
- 部品検査
- 構成部品の試験及び検査、並びに構成部品の交換
- 塗装
- 構成部品の塗装又は被覆加工
- 組立
- 構成部品・消耗部品の組立
- 完成検査
- 完成品の最終検査及び機能試験(検査結果の記録及び検査成績書の発行)
- 梱包
- リビルト部品の製品梱包(保証書,検査証明書及び取扱説明書の同梱)
- 出荷
- リビルト部品を顧客宛に発送
- 分解プロセス
- 組立プロセス
2020年6月30日、自動車用リビルト部品の信頼性向上と一層の普及を目的としたJSA-S1005:2020「自動車用リビルト部品-リビルトプロセスに関する要求事項」が日本規格協会のJSA規格として発行されました。 アーネストではかねてより開発主体としてこのJSA-S1005規格の開発に携わっており、上記11行程からなる生産プロセスで自動車用リビルト部品を生産することが明確化されています。
この規格化の詳細につきましては、下記リリースをご覧ください。